2018年4月7・8日の2日間、超大作RPG「Xenogears(ゼノギアス)」の
20周年コンサートが千葉の舞浜アンフィシアターで開催されました。
両日、昼・夜2回公演で、自分は7日(土)の夜公演に行きました。
電車を乗り間違えて、5分前ギリギリ到着。
土曜日の夜公演は17:30開場、18:30開演。
会場に早めに着いて物販を買ったり、展示物を見たかったので、
余裕を持って16:30出発、17:30会場着の予定でしたが、
15時にホテルに着いて、長距離移動に疲れて仮眠していたら、気づけば16:45に。
それでもまあ18時までには着くだろうと余裕でしたが、これが甘かった…。
初っ端から乗る電車を間違ってしまい、これで大幅に時間ロス。
乗って二駅目ぐらいで間違いに気づき、慌てて戻ったけど、
千葉は東京と違って電車が少なく、一本逃すと次が中々来ないんですよね。
今回の千葉の旅は、ここを完全に読み間違えていました。
大幅に予定が遅れて最寄駅の舞浜駅に18:15着。開演まであと15分!もう時間がない。
アンフィシアターのアクセスマップ(下記)によると、南口から徒歩10分。
これがただの1本道ではなく、建物の中で2階に上がったり下りたりと、かなり入り組んだルート。
これを初見で行くのは結構大変だろうと、電車の中でイメージトレーニングを入念にする。
そして、電車の扉が開いた瞬間に即ダッシュ!
改札を抜けてマップを見ながら進むも、やっぱり思い通りに進まず、
間違って店に入ってしまったり、途中からどこにいるか分からなくなって、
結局マップと違うルートを通っていました。焦る焦る~!!
それでも案内板を見ながらなんとか会場に18:25到着。ギリギリ間に合った…。
普段デスクワークで全く運動をしないので、10分走っただけでもうクタクタ…情けない。
席に向かう途中に沢山のお祝い花があったのですが、時間が無かったので、一つだけパシャリ。
席について、息を整えたらもう演奏スタート。
こういう大きなホールのコンサートは、始まると一旦演奏が終わるまで入れないんですよね。
しかも、今回のコンサートは光田さんの意向でほぼMCが無かったので、
もし間に合わなかったらと思うとゾッとします。ホント間に合って良かった~!
前置きがかなり長くなりましたが(ていうかただの愚痴)、いよいよ開演です!
いよいよコンサートスタート!
舞浜アンフィシアターのステージは下記のように扇形になっています。
パンフレットによると、光田さんはこれをエルドリッジに見立てたコンサートにしたかったので、
会場はこのアンフィシアターしか考えられなかったそうです。
コンサート開催日をゼノギアス発売日の2月11日にしなかったのは、
この会場が別のスケジュールで押さえられていたからなのですね。
(そのおかげで、2月11日はGloriaAngelicusの素晴らしいコンサートが観れたので良かったです)
セットリスト
【第一部】
1.冥き黎明
2.海と炎の絆
3.おらが村が世界一
4.風のうまれる谷~遠い約束
5.鋼の巨人
6.夢の卵の孵るところ
7.グラーフ 闇の覇者~導火線
8.つわものどもが夢のあと~死の舞踏
9.SMALL TWO OF PIECES ~Piano Version
10.盗めない宝石
11.傷もてるわれら 光のなかを進まん
12.やさしい風がうたう
13.lost…きしんだ かけら
【第二部】
13.悔恨と安らぎの檻にて
14.紅蓮の騎士
15.神無月の人魚
16.風が呼ぶ、蒼穹のシェバト
17.飛翔~翼
18.予感
19.覚醒~神に牙むくもの
20.最先と最後
21.SMALL TWO OF PIECES~軋んだ破片~
【アンコール】
23.STARS OF TEARS
24.BALTO & LAHAN (アルバム CREIDより)
25.遠い約束(オルゴール)
まずはオープニング「冥き黎明」から!
大迫力の音響での演奏と照明、ANÚNAの美しいコーラス。
バックのスクリーンに映し出されるオープニングアニメーション。
そして終盤にはステージ中央からスモークがモクモクと。
エルドリッジが自爆という道を選び、炎上していく様をイメージした演出。
アンフィシアターは、上記ステージ中央の円形部分がリフトになっていて、
昇降する仕組みになっています。
気づいたら、そこの円形部分が沈んでいて、そこからスモークが出ていました。
今後も、この円形リフトを使った演出がふんだんに出てきます。
あらゆる演出を贅沢に詰め込んだオープニングで、一気にゼノギアスワールドへ入り込みました。
今回はギリギリでパンフレットを事前に買う余裕が無かったので、
セットリストを知らずに見たのですが、
それが逆に「次は何が来るんだろう」とワクワクしながら見れたのが良かったです。
さて、セットリストの詳細は「ファミ通」さんのレポートに詳しいので、
そちらを読んで頂いて、ここからは自分なりに思ったことを書きます。
あくまで個人の意見であることをご了承下さい。
★アーネンエルベ・オーケストラ
まずこの「アーネンエルベ・オーケストラ」についてですが、
光田さんはパンフレットやブログに書いてある様に、今回のゼノギアスコンサートを
いわゆる通常のオーケストラ編成にはしたくなかったとあります。
自分が総監督としてやる以上、新しい形のオーケストラにチャレンジしたいと。
なので、オーケストラと銘打ちながら、ドラム・ギター・ベースを加えて、
オーケストラとバンドの融合を試みたり、アコーディオンを加えたりと、
今までにない音楽を目指しているチャレンジ精神が音楽から伝わりました。
ですが、個人的には、この形態にはもう少し時間が必要だと感じました。
全体的に音が一つにまとまっていない印象を受けたんですよね。
考えられる要因としては3つあります。
1.自分が見たのは1日目の夜公演だったので、まだ本番2回目だったこと。
なので、千秋楽へ向けてよりまとまっていくのは間違いないので、また印象が変わるでしょう。
2.このアーネンエルベ・オーケストラの特徴として、指揮者がいなかったんですね。
これも光田さんの目指す新しい形態なのだろうと思いました。
(追記:光田さんのブログによると、予算とレイアウトの都合上入れられなかったみたいですね)
指揮者がいない代わりに、各メンバーが自由に(特にギターが)楽しそうに演奏しているのは好印象でした。
3.単純に好みの問題で、自分はキッチリしたオーケストラの生音が好きというこだわりが強すぎて、
光田さんの感性にまだついていけてないというのが、一番大きいかもしれません。
光田さんはデビュー作である「クロノ・トリガー」が今でもゲーム音楽のコンサートで
演奏されていることについて、「嬉しくもあり、初期作品を超えられない悔しさもある」と
ある記事で読んだことがすごく印象に残っています。
クリエイターにとって、前作を超えるよりよい作品を創りたいというのは当然であり、
このコンサートでも上記の意気込みから分かるように新しい音楽にチャレンジしています。
自分も、光田さんの感性についていけるように、素直な感性を身につけたいです。
★ANÚNA(アヌーナ)
今回のコンサートで、一番の衝撃がこのANÚNAというコーラスグループでした。
正直このANÚNAのコーラスが聴けただけで、今回のコンサートに来た価値があったと思えるほど。
光田さんもこのコンサートの目的の一つとして、
ANÚNAを皆に見てもらいたいとおっしゃっていましたが、
そのお気持ちがよく分かります。本当に凄かった!
楽器と声の融合というのか、今まで聴いたことがない、
何と表現したらいいのかわからない程、深く美しい歌声。
こういう素晴らしい歌声を聴くと、人の声はどんな楽器よりも心に響くと改めて思いました。
これぞ世界で活躍する一流のプロフェッショナル集団。
「傷もてるわれら 光のなかを進まん」はオリジナルだとコーラスのみですが、
それは当時の技術では歌を入れることが不可能だった為で、本当は讃美歌にしたかったとの事。
それをこのコンサートでANÚNAに歌ってもらう為に歌詞が作成されました。
この詞がまた素晴らしく、ゼノギアスのキーアイテムである十字ペンダントのシルエットが
ステージ中央でライトアップされる中、ANÚNAが囲んで歌う演出には涙が止まりませんでした。
★Joanne Hogg(ジョアンヌ・ホッグ)
ラストを飾るのはもちろんジョアンヌさんの 「SMALL TWO OF PIECES」
ステージの中央リフトからジョアンヌさんが登場したときは鳥肌モノでした!
ゼノギアスの大きなテーマの一つに「連綿と受け継がれる意思」というのがあります。
この歌を聴いていると、このゼノギアスの世界が現実になったような感覚になりました。
自分が自分で無くなるような、この世界と一つになるような、
この時間が永遠に続くような不思議な感覚。分かりますか?
アンコールの「STARS OF TEARS」も大好きで、ソラで歌えるようになりたくて、
サントラの歌詞カードを見ながら繰り返し聴いたことを今でも鮮明に覚えています。
まさか20年後にご本人の生歌を聴ける日が来るとは。ジョアンヌさんの表現力はさすがでした!
★アンコールでまたLAHAN!
面白かったのがアンコールで、個人的に「LAHAN」がまた入っていたのがツボでした!
この曲がアンコールに出るのは自分が見たコンサートでは3回目です。
1回目「光田康典20周年記念ライブ THE BRINK OF TIME」
2回目「2月11日 GloriaAngelicus ゼノギアスコンサート」
そして3回めがこのコンサート。
このLAHAN という曲は明るいノリの曲調なので、アンコールに合っているのだと思いますが、
変拍子かつ裏打ちなので、手拍子が合わせづらい曲ナンバーワンなのです(笑)
毎回観客が手拍子に戸惑うのを見るのが楽しくなってきました。
今回も例にもれずANÚNAのメンバーがちょっと困っていましたが、
いつもより手拍子がしやすいようにアレンジされていましたね。
アンコールが終わって、ANÚNAが囲んだステージ中央にジョアンヌという夢の布陣。
最後は光田さんとANÚNAのメンバー、ジョアンヌさんが手をつないで観客席に向かってお辞儀。
沸き起こる喝采とスタンディングオベーションが出来て良かった!
光田さん、アーネンエルベオーケストラの皆さん、そして遠い海外から来て下さった、
ANÚNAとジョアンヌさん、素晴らしいステージをありがとうございました!
全員がステージを去ったと思ったら、
光田さん一人が残り、ステージ中央にセットされた椅子に木箱を置く。
開けるとオルゴールの「遠い約束」が流れ、光田さんが深いお辞儀をして拍手に包まれる。
光田さんが去った後も、暗いステージの中、ライトで照らされたオルゴールのメロディーを
観客が静かに聞き入っている。最後までゼノギアスの世界観を大切にした演出に、
涙があふれて止まらない…。そして、ホールの照明が明るくなってコンサート終了。
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